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勉強 [日常]

次の表は標準的な男性(脂肪率21.4%、体重70 kg)の安静時における組織別のエネルギー代謝率を示している。1 kJ = 0.239 kcal 。
table.png
Gallagher et al., Am. J. Physiol. 275, E249–E258 (1998).

骨格筋1 kgの基礎代謝が1日あたり13.1 kcalであるとわかる。また全基礎代謝のうち、骨格筋が占める割合は21.7%である。骨格筋を増やしても基礎代謝が劇的に変化する訳ではない。

ただし骨格筋の増加による付随的な効果が期待される。体重から脂肪重量を差し引いた値を除脂肪量(Fat Free Mass: FFM)という。この除脂肪量の単位重量あたりの安静時における代謝率は、スポーツマンでも一般人でもほぼ同じで、約30 kcal/kg*day である(上の表だと29.6 kcal/kg*day)。スポーツマンの場合、骨格筋(代謝率が小さい)の重量が大きくなるので、単位除脂肪量あたりの代謝率は低下しそうなものである。しかし実際には、運動時に増加するアンモニアアミノ酸の分解やらプリンヌクレオチドサイクル由来)に対処するため、肝臓腎臓(代謝率が大きい)の重量も増加しており、前述の骨格筋増加による効果を相殺している。つまり筋肉を増やすと一部の臓器も発達する。

したがって、筋肉を1 kgふやせば除脂肪量としては1 kg以上増えることになり、1日あたりの基礎代謝は30 kcal以上増える。ちなみに、同時に脂肪が減った場合は脂肪組織の代謝分を減じる必要があるが、この寄与は小さい(脂肪組織の代謝率は4.5 kcal/kg*day )。

先ほどよりは増えたが、骨格筋1 kgに対して数十kcalというオーダーでしかない...

やはり運動しないとダメだ...という場合に便利なパラメーター"METs"についても。METsとはMetabolic Equivalents(代謝当量)の略で、ある運動をした時におとなしくしている時の何倍のエネルギー代謝が起こるかを表している。

ある運動のMETs = ある運動時のエネルギー代謝率 / 安静時のエネルギー代謝率

である。METsの良いところは、METsに運動の時間[h]と体重[kg]を乗じれば、その運動によって消費したカロリーを簡単に見積もる事が出来ることである(ただし、運動による正味のエネルギー代謝量を知りたい場合は基礎代謝分を差し引かなければならない)。これは標準的な体格の場合、基礎代謝率が1kgにつきおよそ1 kcal/hであることに基づく(上の表の場合、この速度は1.0 kcal/kg*hである)。例えば、 METsが3の運動を70 kgの人が2時間行った場合、 エネルギー代謝量は、

(3 [] * 70 [kg] * 2 [h] ) * 1 [kcal/kg*h] = 420 [kcal]    

という風に大雑把に見積もれる。様々な運動におけるMETsの値は、独立行政法人 国立健康・栄養研究所"メッツ値表"から調べられる。例えば"一輪車に乗る"は5.0、”モップがけ”は3.5、"激しい○○"は1.5などと、なかなか面白い。ちなみに、上式中の"1"は除脂肪量の割合により増減するが、実際の運動時には他の要因の影響が圧倒的に大きいので、見積もりとしては"1"で十分と思われる。

まとめ
1. 筋肉量増加により基礎代謝は増加するが、その増分は相対的に小さい
2. 活動代謝(METs*時間*体重)を大きくすることが重要
3. やるべき事に追われている時ほど、どうでもいいことに集中できたりする

面白いのでまとめました。とても勉強になりました。きっかけは先日の「ためしてガッテン」です(放送内容)。この番組を毎回見ている訳ではなく、偶然目にとまりました。先攻分野とは全く関係ありません。内容に誤りがありましたらお知らせ下さい。
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コメント 2

エジプ

笑えた( ´艸`)
by エジプ (2011-02-01 09:40) 

まーはー

METsの表見てもらえましたか?
一見、真面目な表の中にもユーモアがありますよね〜

by まーはー (2011-02-01 17:07) 

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